テニスコーチ カタルが語るブログ

テニスコーチが日々の出来事から思ったことを色々語るブログです

自分の意思と言う力…

 

カタルです。

 

つい先日、少しうれしい出来事が有りました!

 

それは…

中学2年の頃に選手クラスを辞め、テニスも同時に辞めると言う選択をした元教え子が、あるお願いをするためにスクールに訪れたのです!

 

「 もう一度、選手クラスに復帰させて下さい!! 」

 

 

 

 

❏ やらされてる状況と、比べられる苦しみ…

その子はキッズクラスからスクールに通っていて、先に年の離れた兄弟が選手クラスでプレーしていました。

 

両親は一般上級クラスの生徒さんで、かなり熱心に自主練などを行う取り組みをしたことも有って、上の子は県内トップで全日本ジュニアでも勝ち上がるような選手になっていました。

 

しかし、同じように取り組ませようとした下の子は、上の子ほどのモチベーションを維持することが出来ず、やらされてる感じが日々の練習からもにじみ出ていました…

 

そして…

中々結果が出ないことと、周りから上の子と比較されるような事を言われ続けたことがその子のメンタルを削っていき…

 

中2の夏…

県中学生大会で負けたことを切っ掛けにスクールに来なくなり…

ついにはテニスを『 辞める 』という報告をし、選手クラスを去って行ったのでした…

 

 

❏ 勇気と決意を感じて…

 

「 もう一度、選手クラスに復帰させて下さい!! 」

 

厳しいことを言いますが…

正直それは…

普通は無理な話しです…

 

やはり一度離れてしまった時間はすぐに取り戻すことは難しく…

やり続けていた子との実力もモチベーションも違うと思われる子を、いきなり選手として受け入れると言うのはあり得ない話しなのです…

 

しかし…

これを言うためにわざわざスクールを訪れ、思いを打ち明けると言う決断をしたこと…

 

恐らく… 

一度『 辞める 』と宣言した場所に再び訪れ…

『もう一度やらせてください 』とお願いするのは、かなりの勇気と決意が必要だったことでしょう…

 

その思いも考慮して、僕はその子の話しを詳しく聞くことにしました…

 

 

❏ 自分が決めた選択と初めて湧き出た思い…

話しを聞くと…

中学を卒業し、てっきりテニス以外の道を歩んでいると思っていたその子は…

高校に入ってからの部活選びで、改めて硬式テニス部に入ると言う選択をしたのだと言います…

そして1年間一生懸命練習し、その学校のNO.1としてインターハイ予選に出場したことで、もっと上手くなりたい、もっと強くなりたいと言う思いが、心の底から湧いて来たのだと言います…

 

そして何より僕の心を揺さぶったのが…

 

「 今なら、世界中の誰よりも僕が1番やる気があります! 」

 

と言う言葉でした!

 

 

❏ 僕の決断!

今までは親に無理やりやらされていると思いながら練習し、上の子との比較に苦しんできたその子が…

多分、人生で初めて自分からテニスのための決断をしている…

 

そんな子の思いに…

答えてあげてこそのコーチでしょうが!!

 

そんな思いが、僕に『 OK 』と言う決断をさせたのでした!

 

 

❏ 最後に…

僕はジュニア時代の結果や取り組みは、あくまで上達の上での通過点だと思っています。

 

その理由は…

僕の中で本当に実力が伸びる年齢が、身体がしっかりでき上がり、激しい練習やトレーニングにも耐えられるようになる18歳以降だと思っているからです!

 

しかし…

多くのジュニア選手は、高校までに結果が出せなかったことに絶望し辞めてしまったり、せっかく良い結果を出していた選手でも、大学で自由な時間が増えたことで練習しなくなり、最後には勝てなくなってました…

なんてことも少なく無いのです!

 

 

今回、再入校した教え子はすでに高校2年生…

後1年で急激に伸びて結果を出す! 

なんて確率は極めて低いかもしれません…

 

しかし、この子の思いとやる気が失われない限り、高校卒業後に大きな飛躍を見せる可能性だって十分にあると思うのです!

 

 

その子の思いが続く限り…

それに答え、上達出来るように試行錯誤して行くのがコーチの役目じゃないだろうか!

…と改めて思いを巡らせるカタルでした。

 

 

~おしまい~