カタルです。
前回は、日本テニス協会に物申す!と言うことで、世界で戦う選手を育成するためには、まずは国内で活動しているプロ選手の価値を上げるべきだと言う話しをしました。
前回の記事を読んでみたいと言う方は下からどうぞ⇩
tenniscoachkataru.hatenablog.com
今回もその流れを汲みつつ、今の日本テニス界の現状と、他のスポーツとの違いなどを見比べながら、更に言いたいことを書いていきたいと思います。
❏ 国内テニスと他競技との違い…
それでは早速、他競技との比較をしてみましょう!
• ゴルフ
ゴルフは、昔から国内だけでも億を稼ぐことが出来る選手がいるほどプロとしての価値が高い競技なのですが、近年、女子の有望選手をピックアップして紹介するなどの取り組みに力を入れ、選手にスポンサーが付きやすい環境を作り出した結果、メジャーに挑戦する選手が多くなりました!
ついこないだの全米オープンで、笹生(さそう)選手、渋野(しぶの)選手の1、2フィニッシュはそのたまものですね!
国内平均年収も3,420万とプロとしての価値が高いですね!
ちなみに国内の観戦チケット代は3,000円ぐらいです。
• バスケットボール
最近、力をつけてきているバスケットボールでは、Bリーグが発足されたことで盛りあがりを見せており、観に行った友達からも超満員だったと聞いたことがあります!
更にAmazonプライムでの配信や、グッズの販売など、認知度を高める取り組みにも力を入れています。
平均年収も1300万とプロとしての価値を上げています!
Bリーグの観戦チケット代は、3,900円~18,300円と結構高額です。
• 卓球
卓球もTリーグ発足を切っ掛けに、そこまで目立っていなかった早田 ひな(はやた ひな)選手に多くのスポンサーが付き、今では日本人No.1にまで成長しています!
こちらもBリーグ同様、Amazonプライムでの配信やグッズの販売を行っており、大きな収入源となっています。
平均年収も1500万と高額で、世界に挑戦する原動力になってますね!
Tリーグの観戦チケット代は1,000円~12,500円です。
これらに比べてテニスはと言うと…
賞金の付く大会は数多く有るものの、観客を入れるような形態を取っていないためビジネスとしては成り立たず、更に協賛する企業もほとんど無いため、基本的には出場選手からのエントリー費を高額にし、それを収入源とした経営をしています…
最近では、賞金無しと言う大会が大量に増え、完全にランキングポイントを餌に、出場選手からエントリー費を巻き上げるような最悪な方向へと進んでいます…
国内で活動している選手達は、全日本選手権を目指し、全国の大会を回っていますが、基本赤字の選手がほとんどで、プロでも平均年収400万前後と夢の無い状況です…
ちなみに国内最大の大会、全日本選手権の観戦チケット代は、月~木までは無料で、金、土、日が2,000円~10,000円です。
月~木までは無料って…ねぇ… ಠ_ಠ
これでお分かりだと思いまうが、今現在の日本テニスには、国内でプロになった選手が活動するための環境が、他の競技に比べて全く整っていないのです!
ちなみに、世界で活躍する選手となった錦織 圭(にしこり けい)選手は、最高年収40億、4度のチャンピオンに輝いた大阪 なおみ(おおさか なおみ)選手は76億と凄い金額になっています!
これは夢が有る!
夢が有るのですが…
あまりにも国内との差が大きく、狭き門であることが誰の目にも明らかです…
そして…ここまでの偉業を達成するには、個人の力だけでは難しいのです…
例えば、錦織 選手はジュニア時代からIMG(アメリカのテニススクール)のサポートを受け、専属コーチなどのサポートチームが付いた状態でプロツアーを回っていました。
大阪 選手は、2018年の全米オープンで初優勝していますが、コーチが変わる前のランキングは190位と、ごく一般的な選手でした。
つまり、選手個人の能力だけで世界トップに行く事はかなり難しく、多くのサポートを得るための資金が必要なのです!
しかし、国内選手にはその資金が有りません…
海外遠征するお金で一杯一杯で、コーチ無しで遠征してる選手も少なくありません…
この状態で実力を上げ、結果を残し続けるのは相当難し事ですよね…
❏ 数十年変わっていない形式と風潮…
近年、力を付けて来た競技の各協会は、国内での大会運営や、選手個人に対しての価値を上げることに力を入れ、選手たちが競技を続け、海外に挑戦できるだけの土台を作ることに成功しています。
それらに比べてテニスはと言うと…
昔のままの形式や環境が少し形を変えた程度で、根本的には数十年何も変わっていません…
これが長年続く日本テニス界の大きな問題だと僕は思っています!
この傾向が長く続いている要因として、昔からテニス協会が目を向けているのは、いつでも世界に通用する一個人の育成で、その他の選手に対して何の配慮もされていないと言うことが有ります!
しかも、国内全体の風潮として、世界に出れなければダメな選手と言うレッテルも有り、国内で活動している選手を軽く見ている人が多いと言うのも大きな問題です!
この考えから、幼少期に結果を出せていない選手は夢を諦め、テニスから離れると言う選択をすることが多くなるのです…
このように、昔から、早熟の選手ばかりを育てようとする傾向に有る協会の考え方ですが、本格的に大きな成長を見せる時期は、高校、大学生と身体が出来て来た後だと僕は思っています。
現に、大阪なおみ選手は、17歳まで結果が出せずアメリカからは支援されていませんでしたが、日本人である母親の 大阪 環(おおさか たまき)さんがヨネックスに手紙を送り、支援を受けることが出来たことが、遅咲きである大阪 選手の今に繋がっています。
しかし、今現在の日本テニス界では、今の国内テニスの環境から来る現実的な考えもあってか、高校卒業後や、大学卒業後にテニスを辞めると言う選択をする選手が大量に生まれます!
つまり、今のテニス協会のやり方は、早熟ではなく、晩熟となるかもしれない多くの選手を切り捨て、辞めさせてしまっているかもしれないのです!
そんな選手を取りこぼさず、国内の競技力を底上げするためにも、テニスでプロになればこんなに夢が有るのだと、国内だけでも思わせるだけの環境作りが必要だと僕は思っています!
❏ 他競技から学ぶ具体案!
では他競技を参考に国内での取り組みの具体的な案を出してみましょう…
1.※日本リーグのプロ化
2.※JOP大会の運営見直しを行い、観客を呼べる大会に変える。
3.YouTubeやニコニコ動画、Amazonプライムなどでの視聴サイトの設立。
4.トッププロ達の紹介や有望なジュニア選手の特集などで選手の認知度を高める。
5.チームや選手のグッズ販売やファンイベントの開催
などなど…
※( 日本リーグ )実業団による日本最高峰のテニス団体戦
※(J OP大会 )日本テニス協会が主催する大会、勝ち上がることで日本ランキングを上げるためのポイントをもらえます。グレードにより賞金とポイントが異なり、グレードが高いほど高賞金、高ポイントになります。
このように、選手の価値を高める取り組みを地道に行って行ければ、スポンサーや大会を協賛しようと言う企業が増える可能性も高くなり、今年も木曜日まで無料にして、少しでも観客を増やそうなんて言う愚策を弄する全日本選手権が、国内選手のファンで超満員のBIGビジネスになる!なんてことも不可能じゃないかもしれませんよね!
❏ プロテニス選手を夢有る職業に…
少し前に日本テニス界はジュニアまでは強いと言う内容が含まれた記事を書きましたが…
前の記事を読んでみたいと言う方は下からどうぞ⇩
tenniscoachkataru.hatenablog.com
もし、その日本テニス界がプロ活動を始めた選手たちへの育成にも力を入れ、多くの若手選手が夢と可能性を諦めずに長く選手を続けられる環境を整えることが出来たとすれば…
結果的に日本国内での競技レベルも底上げされ、他の国にはない、素晴らしい育成システムが完成するかもしれません!
今現在、多くのジュニア選手を教え、世界に通用するプロになって欲しいと願っている僕としては…
テニス協会にこう訴えたい!
国内で活動しているプロ選手のトップ50ぐらいは、国内だけでもプロとして食べて行けるような環境を整えて欲しい!
プロテニス選手と言う職業を、海外で成功すれば夢が有ると言う物では無く、国内でも十分夢のある、目指すべき職業となる様に変えて行って欲しい!
他の競技に出来て、テニスに出来ないはずがない!
もし、この環境が整えば、今よりもっと世界に挑戦して行く選手が増えて行き、いつの日かグランドスラム上位が日本人選手だらけ!なんて日が来るかもしれないじゃないですか!!!
と…
今ここで叫んでもテニス協会が変わることは無いと思いつつ、そんな思いを叫ばずにはいられないカタルでした!
~おしまい~