テニスコーチ カタルが語るブログ

テニスコーチが日々の出来事から思ったことを色々語るブログです

210㎞超えのサーブを武器に、島袋 将 選手が上海チャレンジャー 優勝!!

 

カタルです。

 

国内育ちの27歳!

島袋 将( しまぶくろ しょう )選手が、【 Road to the ロレックス上海マスターズ(チャレンジャー100) 】で優勝しました!

 

島袋 将(しまぶくろ しょう)選手のデータ(2024/9/7)

 

・2017年インカレチャンピオン

・現世界ランク239位(2024/9/7)

・自己最高世界ランキング シングルス135位、ダブルス438位

 

・「有沢製作所」と2020年5月1日に所属契約、「東仁学生会館」と2020年7月1日にスポンサー契約、「名代富士そばグループ」と2023年3月25日にアドバイザリー契約、2024年4月25日に「ディアドラ」と契約、その他契約( ヨネックス、アトラス、アドミラル )

・2020年5月にプロ転向

・1997年7月30日 27歳

・岐阜県岐阜市出身

・身長 183cm

・体重 78kg

・右利き

・出身高校 四日市工業高校

・出身大学 早稲田大学

・ジュニア時代の所属スクール HIDE TA

 

島袋 選手のプレーで一番目を引かれるのは、なんといっても210㎞をコンスタントに出すことが出来るサーブ力です!

今回の決勝戦でも、ファーストが入った時のポイント取得率93%と言う高い数字をたたき出し、7本のエースを奪いながら1度もブレークされること無く勝利を手にしました!

 

これでキャリア3度目となるチャレンジャーの優勝です!

今年は少し調子を落としていた印象が強かったですが、更なる飛躍となる切っ掛けになるかもしれませんね!

 

 

 

 

❏ インカレチャンピオンまでの軌跡…

島袋 選手は2017年のインカレを制しチャンピオンに輝いています!

そんな経歴を考えると、ずっと幼少期からトップに君臨してたように思うかもしれませんが、決してジュニアの時点では飛び抜けた存在ではありませんでした…

 

島袋 選手のジュニア時代は、東海地区代表で全日本ジュニアに出場する選手でしたが、U12、U14では2回戦敗退、U16では下の年代で2回戦、上の時は1回戦敗退、U18の全日本ジュニアでは3回戦で敗退と、決して上位に勝ち上がるような選手ではありませんでした…

ジュニアでの最高成績はインターハイの個人戦でベスト8です…

 

ジュニア時代、まり良い成績は残せていなかった 島袋 選手を変えた切っ掛けが、早稲田大学に推薦で入学できたことでした!

そこには共に切磋琢磨し、負けたくないと思える良きライバルがいたと言います…

それが勝つために努力し続けるモチベーションとなり、自分自身の能力を高める大きな切っ掛けになったようです!

 

そんな努力によって早稲田大学のNO.1となった 島袋 選手は、その年のインカレを勝ち上がり、優勝を成し遂げました!

 

正に 島袋 選手の軌跡は、大学から大きく伸びたと言う典型的な『 晩熟 』の例で、もちろんジュニア時代も努力を積み重ねて来たと思いますが、身体がしっかりと出来上がる大学時代に更に努力出来たと言う事が、高身長となり強くなったフィジカルを生かしたプレーを身に着けることが出来た大きな要因だったと思います!

 

前に『 晩熟 』について少し語った記事が有るので良かったらどうぞ⇩

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❏ 多くのスポンサーに支援される取り組み!

島袋 選手には、テニスの実力とは別に注目したい点があります!

それは他の選手に比べて多くのスポンサーがつき、支援されていると言うところです!

 

正直、実績で言うと他にも同じような戦績や実力の選手がいる中で 島袋 選手だけ多くのスポンサーがついていることを不思議に思っていましたが、聞くところによると多くの企業に自分を売り込むなどの取り組みをプロになる前から行っていたらしいのです!

 

恐らく自分の目標が海外でのプロ活動で、そのために必要なのがスポンサーからの支援だと理解し、先を見据えて準備をしていた成果なんだろうと思います!

 

そして多くのスポンサーからの支援が海外遠征の支えとなり、2023年のウィンブルドンと全米オープンの本戦出場を果たし、世界ランクを 135位まで上昇させた原動力になったのだと思います!

 

この 島袋 選手取り組みは、海外で活動したいと考える選手にはとても重要な事で、他の選手も見習うべきこ所が多くあると感じます!

 

今の国内テニスの現状を考えた時、スポンサーになってくれる企業は多くないのが現状ですが、そこまで考えてプロになった選手はほとんどいないのではないかと思います…

 

いつの日か 島袋 選手には、どのような活動を行ったのかを詳しく聞いてみたいものですね!

 

 

❏ 主体性を磨き、ピークを大学時代以降に!

大学では、コーチや監督からの管理は緩み、自主練などで自ら考え行動する主体性がその後の上達に影響して行きます!

 

僕の知るトップジュニだった子の中には、大学入学後は練習嫌いになりトレーニングも進んでしなくなったと言う選手が多くいます…

これは恐らく高校できつい練習やトレーニングを強要され続けたことで、軽いバーンアウト状態を引き起こしているんじゃないかと思います…

 

前に高校部活について少し語った記事が有るので良かったらどうぞ⇩

tenniscoachkataru.com

 

理想としては、ジュニア時代には戦えるだけの技術と自分から行動したり考えたりできる主体性を磨き、身体が出来て筋肉もつきやすくなる大学時代以降に自ら努力出来るピークの状態を持って行く事が出来た時、更に伸びて行く『 晩熟 』となる選手になれる可能性が大きくなるのではないかと思うのです!

 

 

❏ まとめ

今回は、 チャレンジャーでキャリア3度目の優勝を果たした 島袋 選手の軌跡を記事にしてみました!

 

エリート街道では無く、雑草魂とも言える 島袋 選手の道のりは、多くの選手の参考になるのではないかと思います!

 

 

教え子達にも、 島袋 選手の最後まで諦めずに取り組み続ける姿勢を見習ってほしい…

 

今後、そんな雑草魂を持った教え子が現れることも夢見るカタルでした。

 

 

~おしまい~

 

 

 

 

全米ジュニアでも日本人選手が大活躍! 16歳の 園部 八奏( そのべ わかな )選手がシングルスで準優勝!! 坂本 怜( さかもと れい )選手はダブルスで初優勝!!!

 

カタルです。

 

ついに全米オープンも決勝が終わりましたね!

 

男子は ヤニック・シナ― 選手( イタリア )vs テイラー・フリッツ 選手( アメリカ )の決勝でしたが、 シナ― 選手のストレート勝ちと言う結果となりました!

やはり シナ― 選手の終始ペースを上げながら行う超高速ラリーと、その中でも動き回れるフットワークは凄かった!

フリッツ 選手も強気なプレーでのサービスキープで最後までくらいついていましたが、パフォーマンスが落ちた瞬間にブレイクされると言う展開となりました…

相手にプレッシャーを掛け続け、そのプレーを最後まで落とす事無く行った シナ― 選手の異質な強さが光る試合となりました!

 

女子の決勝は アリナ・サバレンカ 選手( ベラルーシ )vs  ジェシカ・ペグラ 選手( アメリカ )の対戦でした!

お互い強力なショットを打つ2人の対決は、激しい打ち合いになるのかと思っていましたが、意外と ペグラ 選手が自分から仕掛けることが少なく、終始強気に打ち続けるサバレンカ 選手と冷静にカウンターを狙う ペグラ 選手と言った構図になりました!

流れがお互いに行き来するほぼ互角と言える闘いを制したのは サバレンカ 選手!

どんな状況下でも一貫して強打し続けた サバレンカ 選手の強気な姿勢と集中力が最後に勝敗を分けたと感じる試合でした!

 

今回の決勝は、男女ともストレートでの決着でしたが、内容は実に見ごたえのある物だったと思います!

そして負けはしたものの、決勝に男女共にアメリカ選手が勝ち上がったと言う結果が、アメリカテニス協会の何年にもわたる取り組みの成果を感じさせる大会でした!

 

 

 

 

❏ 日本人ジュニア、男女共に大活躍!

そんな盛り上がりを見せた全米オープンで、今回も大活躍してくれたのが日本人ジュニア選手達です!

 

男子では、今年の全豪オープンジュニアで優勝した 坂本 怜( さかもと れい )選手が、シングルスでベスト4!

そしてダブルスでは、チェコの マキシム・ムルバ 選手と組んで、初優勝を飾りました!

 

 坂本 怜( さかもと れい )選手のデータ(2024/9/6)

 

・現ジュニア世界ランク 3位(2024/9/6)

・最高ジュニア世界ランク 1位

 

・2024年 全豪オープンジュニア シングルス 優勝

2024年 全米オープンジュニア ダブルス 優勝

 

・現世界ランク 817位(2024/9/6)

 

・出身 愛知県名古屋市北区

・生年月日 2006年6月24日 18歳

・身長 193㎝

・80㎏

・右利き

・誉高校

・所属スクール チェリーテニスクラブ

・現在の拠点 アメリカ IMGアカデミー

 

しかし、優勝を決めた後にペアと一緒に行った『 侍ポーズ 』の息の有った感じは、事前の練習量を感じさせましたね( 笑 )

 

この優勝で、日本人では初となるグランドスラムジュニア2つ目のタイトルを手にした 坂本 選手!

今後の日本テニス界をしょって立つ存在に成長してくれることを期待したいですね!

 

 

❏ 16歳の園部 選手が準優勝!!

そして女子では、16歳の 園部 八奏( そのべ わかな )選手が決勝へと勝ち上がり、4-6 4-6 と惜しくもイギリスの ミカ・ストイサレビッチ 選手に敗れてしまいましたが、自身初の準優勝を飾りました!

 

 園部 八奏( そのべ わかな )選手のデータ(2024/9/6)

 

・現ジュニア世界ランク 10位(2024/9/6)

 

2024年 全米オープンジュニア シングルス 準優勝

 

・現世界ランク 792位(2024/9/6)

 

・出身 埼玉県

・生年月日 2008年1月17日 16歳

・身長 174㎝

・左利き

・所属スクール 与野テニスクラブ

・現在の拠点 アメリカ IMGアカデミー

 

 園部 選手は2021年の U14全国選抜ジュニアで優勝した選手です!

しかもその時点ですでに身長が170㎝あり、プレーの方も強力なストロークを武器にした攻撃的なテニスをしていました!

 

園部 選手の直近のプレーは、今年のウィンブルドンジュニアでベスト16に入った試合をWOWOWで観戦していて、内容にスケールのでかさを感じていたので強く印象に残っていました!

 

それが今大会では見事に勝ち上がり準優勝!!

「 素晴らしい 」の一言です!

 

決勝のプレーを見る限り、追い込まれた時にまだまだ未熟さを感じる部分も有りましたが、なんせまだ16歳です!

今後どのような成長を見せてくれるのかが本当に楽しみです!

 

 

❏ まとめ

近年、国内育ちのジュニア達がグランドスラムジュニアで上位に勝ち上がることが多くなっていると感じます!

そして今年は、優勝、準優勝と言う結果を出した選手も現れました!

 

この活躍がジュニアで終わらず、そのまま世界トップクラスの選手へと育っていって欲しい!

その中に、自分の教え子もいたりしたら最高じゃないか!

そんな可能性に、思いを膨らませるカタルでした。

 

 

~おしまい~

 

 

 

 

現日本ランクNO.1の内島 萌夏( うちじま もゆか )選手のジュニア時代の軌跡から学ぶ理想の育成!

 

カタルです。

 

全米オープンもついにベスト4が出そろいましたね!

 

中でも注目なのが、ベスト4に男女ともアメリカの選手が2人ずつ勝ち上がっていることではないでしょうか!

 

そんな光景を見ていると、ついついこれが日本人選手になる日が来て欲しい!

なんてことを思ってしまいます…

 

 

今大会の日本人選手の戦績は、1、2Rで全員敗退と言うものでしたが…

その中でも、現日本ランクNO.1の 内島 萌夏( うちじま もゆか )選手の1Rでのプレーが今後の可能性を感じる輝きを放っていましたので、そんな 内島 選手のジュニア時代の話しも交えながら紹介して行きたいと思います!

 

内島 萌夏( うちじま もゆか )選手のデータ(2024/9/6)

 

・現世界ランク 64位(2024/9/6)

・最高世界ランク 59位

 

・「 安藤証券 」と2022年11月14に所属契約

・2019年4月にプロ転向

・出身 静岡県袋井市( 産まれたのはマレーシアのクアラルンプール )

・生年月日 2001年8月11日(23歳)

・身長 173㎝

・体重65㎏

・右利き

・出身校 一ツ葉高等学校

・ジュニア時代の所属スクール 昭和の森ジュニアテニススクール( 現 モリパークテニスガーデン )

・現在の拠点 中国の広州

 

 

 

 

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内島 選手は、先に紹介した 柴原 瑛菜( しばはら えな )選手と同様に、173㎝と言う海外選手と並んでも見劣りしない体格をしていて、フォアバック共に強力なショットを持っています。

特にフォアの重く伸びのあるスッピンボールがかなり強力な武器となっていて、回り込みフォアハンドからの攻撃が相手から主導権を奪う切っ掛けになっています!

 

全米オープン一回戦の タマラ・コルパチュ 選手との対戦では、1st はサーブの確率が悪く、ショットの制度もかなり低かったため、粘られて自爆してしまう形で取られてしまいましたが、2stと3stでのプレイは見事でした!

サーブの確率が上がったことで積極的なショットが増え、回り込みフォアハンドなどからの攻撃が相手を追い込みプレシャーを掛けるプレーへとつながっていきました!

最後は粘られ苦戦する場面もありましたが見事な逆転勝利となりました!

 

 

❏ 実は遅咲きの内島選手

ここで注目したいのが内島 選手の幼少期です!

内島 選手はテニスを始めたのが9歳と周りの選手に比べて遅かったのもあって、U12、U14では全日本ジュニアに出場出来ておらず、よく言うエリート街道を進んできた選手ではありませんでした…

それでも、全国小学生でノーシードながらベスト4に入ると言う成績を残したことから、勝てるポテンシャルは十分あったのだとは思いますが、その後そんなに目立った戦績もなかったのと、同じスクールに全日本ジュニアで上位シードになるような同級生の選手がいたことで、そこまでダントツで強いと言った目立った存在ではなかったと言うのがその頃の印象でした。

 

実は、内島 選手がジュニア時代に所属していた昭和の森ジュニアテニススクール( 現 モリパークテニスガーデン )とは交流が有り、昔は練習試合をちょこちょこ行っていました!

当時の教え子と内島 選手との練習試合の結果は、勝ったり負けたりと言ったところだったと思います。

 

中学生になり、身長が170㎝となった 内島 選手は、ショットの威力が同年代だけではなく上の年代の選手と比べても飛び抜けたものとなって行きます!

そんな、周りを寄せ付けない攻撃的なテニスを確立させた 内島 選手は、15歳の時に全国中学生で単複を優勝し、それを切っ掛けに一気にトップ選手としての実力をつけて行きます!

そして翌年の全日本ジュニア( U18 )を16歳で優勝し、その年に挑戦したITF女子サーキトの【 カンガルーカップ国際女子オープンテニス 】で決勝まで勝ち上がり、奈良 くるみ( なら くるみ )選手に敗れ準優勝となりましたが、プロへの道を歩もうとする大きな切っ掛けになったんじゃないかと思います!

 

 

❏ 理想的な成長の仕方を考える…

この 内島 選手の成長の仕方は、今年の全豪ジュニアを優勝し、世界ジュニアランクNO.1( 現3位 )となった 坂本 玲( さかもと れい )選手とも似ています!

坂本 選手は、U12、U14と大きな戦績はありませんでしたが、中学時代に身長が190㎝代まで伸びたことで頭角を現し、全国中学生の優勝を切っ掛けに世界へと挑戦し始めたと言う同じような道を歩んでいます!

 

そんな、高身長と言う体格の変化と共に世界で戦える実力を付けて行った 内島 選手と 坂本 選手のような成長の仕方は、ジュニアを教えている僕らの取り組み方を深く考えさせます…

実際、U12、U14と勝っていた選手がU16、U18と徐々に勝てなくなって行く姿を多く見て来た僕としては、世界と言う舞台を目指す選手が進むべき成長の軌跡は、早めに成長する 早熟 ではなく遅れて成長する 晩成 だと思うのです!

 

ただ、この成長の仕方で難しいのが、親御さんや選手本人の考え方とモチベーションの維持です…

多くの人は幼少期に結果が出たか出ないかで一喜一憂し、出ないと無理だと感じたり、焦ったりする傾向に有ります…

しかし、本当に大切なのは子供の時どれだけ強かったか?では無く、最終的に世界に通用するレベルに到達したか?と言う事で、これを理解した上で幼少期から結果を出した子と、幼少期に結果を出すことだけに力を入れて来た子とでは、その後の成長度合いに差が出る可能性が大いにあると思うのです!

 

それを踏まえて僕が考える理想的な成長の仕方は…

 

【 晩成になるための未完成な早熟を目指す 】

 

です!

 

これは、幼少期にはその子の成長スピードに合わせた将来を見据えたプレーを磨き、結果が出たり高いスキルを身に着けれたとしても、更にレベルを上げるための挑戦をし続ける事で、更なる成長が15歳以降にも訪れる準備をしておくと言う意味です!

そのためには幼少期からしっかりとした将来の目標を持つことが大切で、その目標を見据えた考え方と取り組み方を身につけていくことで、結果が有る無いにかかわらず、身体がしっかりして来る15歳以降に、本格的なレベルアップが訪れる可能性が高くなると思うのです!

 

 

❏ 理想的な成長を目指すためにコーチが考えるべきこと!

そんな、理想の成長を目指す上で僕らコーチが考えるべき問題が、選手の身体の成長を阻害せずに能力を伸ばせるかどうかでは無いでしょうか?

 

その上で僕が常々気になっているのが、幼少期から結果を出すために行いがちな過度なフィジカルトレーニングの成長期への影響です!

 

実際、しっかりトレーニングを行うことは結果を出しやすくする大きな要素になって行きますが、その負荷が過度に上がった時、身長が伸びなくなると言う影響が出てしまっているのではないかと疑っているのです!

 

これまでも幼少期に結果を出していた選手が小降りになってしまうことが多いと言う傾向があり、今回の全日本ジュニアのU14の選手達を見ていても、特に女子選手の体格ががっちりと筋肉質で、身長が小さい子が多いと感じました…

 

それに対して、U16、U18では長身の子が多くなり、今まで名前を見たことが無い無名の選手も多く出場していたりしています!

 

これは本当に気を付けなければと思うのです…

U12、U14で努力を続け能力も高く育っていた選手達が、成長期を経て高身長となった選手達に苦しめられ、勝てなくなって行くと言う苦しい現実が待っているかもしれないのですから…

 

それらを踏まえて僕らコーチが考えるべきなのは…

U12、U14は技術と経験を向上させつつ、成長期を阻害しないことも考えた身体作りを心掛け、それと共に身長を伸ばす為の栄養や睡眠と言った部分にも気を使った取り組みをして行き、その成長に伴った将来を見据えたプレーを身に着けれるようにして行く事だと思うのです!

 

 

❏ 遺伝を超えて身長を伸ばす為の取り組みも考える…

身長を伸ばすと言う話しになると、遺伝と言うものがついて回ります…

両親の身長から将来の身長を計算するサイトが有ったりするように、何もしなければそうなる可能性が高いのかもしれません…

 

しかし、そんな遺伝とは関係なく身長が大幅に伸びている子もいたりすることに僕は注目しています!

 

ちなみに僕の教え子の中にも両親とも身長が150㎝前後と小柄なのに、180㎝まで伸びた兄弟がいます!

聞けばお母さんが栄養に気を使いながら食事を作っていたらしく、2人とも中高と「 暇さえあれば寝まくっていた 」とも言っていました!

 

前に2mを超えるバレーボール日本代表選手が子供からの質問で「 何でそんなに身長が大きくなれたんですか? 」と聞かれた時、「 とにかく中学時代は寝てた記憶しかないぐらい寝てました 」と答えてました!

 

よく身長を伸ばす為に必要なこととして言われているのが、《 栄養 》《 睡眠 》《 ジャンプ系の運動 》《 ストレッチ 》《 ストレスの無い生活 》などですが、この話しを聞くと、特に《 栄養 》と《 睡眠 》を成長期の時期に確保することが重要なんじゃないかと思えてきます!

もちろん遺伝の影響は大きいとは思いますが…

ただそこに、それ以外での可能性が有るのであれば、試す価値は十分に有ると思うのです!

 

 

❏ まとめ

昔は早く成長し結果を出す 早熟 の選手がプロになって行くのが育成の流れだったと思いますが、近年ではその流れが変わって来てるように感じています!

 

現に、現在世界ランクNO.1の ヤニック・シナ― 選手が本格的にテニスを始めたのが14歳だったと言いますし、グランドスラムを4回優勝した元世界ランクNO.1の 大阪 なおみ 選手のジュニア時代はほとんど結果を出していない無名の選手だったと言います…

そもそもジュニアには目線を置かずに一般のITFに挑戦し続けていたようです。

 

今大会で男女ともベスト4に2人ずつ勝ち上がったアメリカでは、大学で本格的に力を付け、卒業後にプロとなり世界ランク上位になっている選手が多く出ています!

正に 晩成 の選手育成をしていると言えるのではないでしょうか!

 

それに比べ日本国内では、ジュニアで結果を出せたらプロになろうと考えると言う傾向が根付いているようで、そのために早く結果を出そうと選手も親御さんも焦っているように感じます…

 

その結果、ジュニア時代がゴールの様になり、ジュニア卒業で引退する子なんかも多く出てしまっています…

 

ジュニア時代に全力を注ぎ…

結果が出せなければ自分の可能性を信じられなくなり辞めて行く…

そんな流れや考え方を変えることが、多くの日本人選手がグランドスラムで勝ち上がる未来に繋がるのではないかと僕は思うのです!!

 

 

「 世界に通用するプロになりたい! 」

そんな教え子達の思いが実現する方法を…

真剣に考え続けるカタルでした。

 

 

~おしまい~

 

 

 

 

 

イギリスの新星 ジャック・ドレイパー 選手が初の全米ベスト4!

 

カタルです。

 

全米オープンもベスト4が出そろいましたね!

 

勝ち上がったのは フランシス・ティアフォ 選手( アメリカ )、テイラー・フリッツ 選手( アメリカ )、ヤニック・シナ― 選手( イタリア )、ジャック・ドレイパー 選手( イギリス )です!

なんと シナ― 選手以外の上位シードが破れると言う波乱の展開となり、アメリカ勢が2人ベスト4に勝ち上がると言う快挙!

 

〈 これが日本人と言うパターンがいつの日か来たら良いなぁ~ 〉

 

なんてことを思ったり…

 

 

そんな勝ち上がってきた選手の中で今回注目したいのが、イギリスの新星 ジャック・ドレイパー 選手です!

 

 

ジャック・ドレイパー 選手のデータ(2024/9/5)

 

・元世界ジュニアランキング 7位

 

・自己最高世界ランキング 25位

・現世界ランク 25位(2024/9/5)

 

・2018年にプロ転向( 当時16歳 )

・生年月日 2001年12月22日 22歳

・身長 193cm

・体重 85kg

・左利き

・出身 イギリス サットン

 

ジャック・ドレイパー 選手と言えばパリオリンピックで 錦織 圭( にしこり けい )選手を1回戦で破ったイギリスNO.1の選手です。

 

プレーは、左利きのキレの有るスライスサーブが強力で、ワイドセンターの打ち分けが非常に上手い!

ストロークもフォアバック共に強力なショットを持っていて、どちらからでも攻め込める攻撃力を持っています!

ボレーはまだ未熟な感じはしますが、サーブ&ボレーを入れたりと積極的に取り入れようとしている姿勢が見られます!

 

そんな ドレイパー 選手の今大会での勝ち上がりは、第3シードの カルロス・アルカラス 選手が ボーティック・ファン・デ・ザンツフープ 選手に敗れ、第16シードの セバスチャン・コルダ 選手も トマーシ・マハーチ 選手に敗れたため、ここまでシード選手とは一度も戦っていないと言う少し運に恵まれた感じがするものですが、そんな中でも1stも落としていないと言うのが勢いとしっかりとした実力を感じさせます!

 

前の記事を読んでみたいと言う方は下からどうぞ⇩

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準決勝での対戦となった第10シードの アレックス・デミノー 選手は、今年に入ってからキャリアハイを更新するなど好調を維持している選手で、約2ヶ月前のウィンブルドンでもベスト8に入っています!

 

前の記事を読んでみたいと言う方は下からどうぞ⇩

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2人のここまでの対戦成績は デミノー 選手からの3勝0敗と言う事だったの、デミノー 選手有利かと思って観ていましたが…

試合が始まってみると、序盤から デミノー 選手のプレーが固く、らしくないミスを連発する立ち上がりに…

対する ドレイパー 選手はしっかりとサーブでのポイントを積み重ね、強力なショットで主導権を握って行きます!

1st を ドレイパー 選手が 6-3 と取り、2st も先にブレイクする形で流れは完全に ドレイパー 選手と言う状況に…

中盤 ドレイパー 選手のミスが増え積極的な攻撃が減ったことで、 逆に デミノー 選手に攻め込まれる形で ブレイクバックを許しますが、すぐさま強気なプレーを取り戻し、再度ブレイクした ドレイパー 選手が、そのまま 7-5 で2st を取り切ります!

3st はキープキープの立ち上がりとなりましたが、今回も先に ドレイパー 選手がブレイクに成功し、そのままの流れで 6-2で勝利を掴みました!

 

終始 デミノー 選手プレーが上がらない状況に見えましたが、 ドレイパー 選手が見せた強気の攻めが、最後までプレーを上げさせなかったとも言える試合だったと思います!

 

次の相手は ヤニック・シナ― 選手の同級生対決!

どんな試合になるのか楽しみです!

 

 

❏ まとめ

今まで ドレイパー 選手の試合をしっかり見たことが有りませんでしたが、実に良い選手だと感じました!

そして、試合後に調子の上がってこなかった デミノー 選手への気遣いを感じるコメントをしたりと人間性も実に高そうです!

 

シナ―  選手もそうですが、実力と人間性を兼ね備えた選手が海外ではとても増えて来ているように感じます!

 

一方国内では、テニスが強いことを鼻にかけ、調子に乗っていると感じる選手が多いと感じてしまいます…

( これは僕の主観が入っていますので、当てはまらない選手には申し訳ありません… )

 

出来る事なら…

テニスの技術や戦い方を教えるだけではなく、人間性も高めれるような携わり方をして行きたいと心から思うカタルでした。

 

 

~おしまい~

 

 

 

 

まさか ジョコビッチ 選手まで!? 3回戦で アレクセイ・ポピリン 選手に敗退!!

 

カタルです。

 

昨日、2回戦で第3シードの カルロス・アルカラス 選手が破れると言う番狂わせに、テニス界がザワついたそんな矢先…

 

まさかの ノバク・ジョコビッチ 選手まで3回戦で姿を消すと言う衝撃的な結果が!!!

 

その対戦相手は アレクセイ・ポピリン 選手です!

 

アレクセイ・ポピリン 選手のデータ(2024/8/31)

 

・元世界ジュニアランキング 2位

 

・自己最高世界ランキング 23位

・現世界ランク 28位(2024/8/31)

 

・2017年にプロ転向( 当時17歳 )

・生年月日 1999年8月5日 25歳

・身長 196cm

・体重 78kg

・右利き

・出身 オーストラリア シドニー

 

ポピリン 選手のことは、去年の木下ジャパンオープンで 望月 慎太郎( もちずき しんたろう )選手と対戦した試合で観ていましたが、とにかくサーブとストロークの強打が凄い選手と言う印象で、その望月 選手との試合では、230㎞を超えるサーブを叩きこんで来る驚異のサーブ力と触るのがやっとなほどの強打を見せていましたが、ファーストの確率が落ちた時にブレイクされたり、無理やり打ち込んだショットのミスなどが大事なポイントで出たりして、最終的には 望月 選手が勝利すると言う結果となりました!

 

それから1年…

ジョコビッチ 選手を破った ポピリン 選手のプレーは、その時とは別の選手かと思うような丁寧なものへとモデルチェンジされていました!

 

サーブは230㎞を出さずに200㎞前後をコースにコントロールするものに変わり、その結果ファーストの確立が70%を越え、時にサーブ&ボレーを織り交ぜるプレシャーの掛け方で高いキープ率を維持していました。

更にストロークも無理やり強力なショットを打ちに行くのではなく、スライスなどを織り交ぜた丁寧なラリーから持ち前の強力なショットを打ちに行くなどの緩急を使った組み立てを行っていて、まるで去年観た選手とは別人のようでした!

 

対する ジョコビッチ 選手のプレーはと言うと、序盤はファーストサーブの確率が悪く、ラリー戦でのミスも目立ったように感じましたが、中盤以降はさすがのプレーを連発し、3st 目を怒涛の勢いで取り返したことで、このまま逆転して行く可能性を誰もが感じたんじゃないかと思います!

そんな雰囲気で始まった第4st でしたが、終始圧倒する形でプレッシャーを掛け、ブレイク出来そうな場面を何度も作るも取り切れない ジョコビッチ 選手…

先にブレイクを許したことで流れが変わり、更に2度目のブレイクを許します!

すぐさまブレイクを返しますが、そのまま最後はキープされ、ゲームセットとなりました!

 

アルカラス 選手に比べそこまで調子が悪いと言う感じでは無かった ジョコビッチ 選手でしたが、2st ダウンと言う状況だからこそのプレシャーと、最後は ポピリン 選手の集中力に屈しました!

 

しかし、 ポピリン 選手の1年での進化には驚かされました!

このプレー自体かなり参考になるものだと思います!

 

まさか、ジョコビッチ 選手まで早い段階で負ける大会になるとは…

アルカラス 選手ほどではないものの、ジョコビッチ 選手にもオリンピックでの疲労や調整が少なからず影響したのかもしれません…

 

 ポピリン 選手の進化を目の当たりにし、教え子にももっと進化する瞬間を与えたいと気持ちが高ぶるカタルでした。

 

 

~おしまい~

まさかの2回戦負け!?優勝候補の一角 カルロス・アルカラス 選手を破った ボティック・ファン・デ・ザンツフープ 選手!!

 

カタルです。

 

まさか2回戦負け!?

 

今日、2Rで第3シードの カルロス・アルカラス 選手( 世界ランク3位 )がノーシードの ボティック・ファン・デ・ザンツフープ 選手( 世界ランク74位 )に破れると言う大波乱が起きました!!

 

2人のデータはこちら⇩

カルロス・アルカラス 選手のデータ(2024/8/30)

 

・自己最高世界ランキング 1位

・現世界ランク 3位(2024/8/30)

 

・19歳で世界ランキング1位と、史上最年少記録を樹立 

・グランドスラム 2023 全仏優勝、2023 / 2024 全英優勝、2022 全米優勝 

・2024年 パリ オリンピック 銀メダリスト 

 

・2018年にプロ転向( 当時16歳 )

・生年月日 2003年5月5日 21歳

・身長 183cm

・体重 74kg

・右利き

・出身 スペイン ムルシア州 ムルシア エル・パルマル

ここまでの対戦成績… 

アルカラス  ー 0 ザンツフープ

 

ティック・ファン・デ・ザンツフープ 選手のデータ(2024/8/30)

 

・自己最高世界ランキング 22位

・現世界ランク 74位(2024/8/30)

 

・2003年にプロ転向( 当時18歳 )

・生年月日 1995年10月4日 28歳

・身長 191cm

・体重 85kg

・右利き

・出身 オランダ ヘルダーラント州 ヴァーヘニンゲン

 

正直、全く知らない選手に アルカラス 選手が負けたと言う事で、急遽試合内容を観させてもらいました…

試合は、アルカラス選手のプレーが全くダメと言うことは無いながらも、本来の粘りや集中した時に確率を上げてくる攻撃が、欲しい時に中々入らない相当苦しいプレーを強いられていました…

 

勝利を挙げた ザンツフープ 選手のプレーは、柔らかいボールの捉え方で粘り強く、ゆったりしたペースで深くコントロールされたボールや、柔らかいタッチのスライスでラリーをするタイプですが、時折見せるカウンターや シナ― 選手のようなペースを自ら上げる鋭いショットが緩急となり、今回のアルカラス選手のリズムを崩し、調子を上げさせなかった一つの要因にもなったのではないかと思います!

前に【 アレックス・デミノー選手の進化 】と言う記事を書きましたが、最近、シナ― 選手のショットを参考にしてプレーに取り入れているように感じる選手が増えてる気がします!

 

前の記事を読んでみたいと言う方は下からどうぞ⇩

tenniscoachkataru.com

 

そして更に アルカラス 選手を苦しめたのが、ザンツフープ 選手のボレーでのポイント確率と苦しい状態からもキープに持っていったサーブの組み立てです!

2st や3st では下手したら逆転されてもおかしく無い流れになりかけた場面も有りましたが、そこをしっかり取り切った ザンツフープ 選手の冷静なプレーが、今回の大番狂わせを生んだのだと思います!

 

 

❏ まとめ

今回の アルカラス 選手のプレーは、明らかに本来のプレーではありませんでしたが、ザンツフープ 選手の予想以上のプレーに調子を上げようとしても抑え込まれたと言う印象の試合内容でした…

オリンピックからの調整不足や疲労など、本来の力を出せなかった要因は色々考えられると思いますが、次の試合では更にパワーアップした姿を見せてくれると信じています!

 

まさか2回戦でこんな大波乱があるとは思っていませんでしたが…

全く知らない選手のプレーを知る機会にもなりました!

 

今大会は、この ザンツフープ 選手がどこまで勝ち上がるのかにも注目しながら観戦して行きたいと思います!

 

どんな選手でも、こんなことが起こることが有るのだと再認識したカタルでした。

 

 

~おしまい~

 

 

 

全日本ジュニア3日目! やっぱりコロシアムの雰囲気で試合は良い!

 

カタルです。

 

今日で全日本ジュニアU12、U14も3日目となりました!

 

 

教え子はしっかりと1、2Rを勝ち上がり、今日も試合に臨みます!

しかし、プレーの内容はと言うと…

序盤タイミングが合わないようなミスや振り切れていないショットが目立つ微妙なプレーが有ったりと、全体的に良い調子とは言えない状態なのが気になります…

ただ、そんな中でもしっかりと勝ち切るテニスが出来るようになったのは、成長を感じています。

 

 

❏ 球足の違うコートへの切り替え

これは去年も同様でしたが、今大会は1日1日コートがインドアとアウトドアに切り替わると言うシステムで運営しています。

これは、熱中症対策の一環として考えられたもので、選手にとってありがたい配慮ではあるのですが、一つ問題が有ります…

それは、インドアとアウトドアでコートの球足や跳ね方が結構違うと言うものです!

 

ちなみに有明のコートは、 アウトドア ⇨ インドア ⇨ コロシアム の順番に球足が速くなるらしく、特にコロシアムはかなり速いと言う話しです!

 

…噂によると…

ジャパンオープンなどに出場している海外選手からも、「 練習するインドアコートとコロシアムのコートの球足が違い過ぎる! 」と苦情が出ているらしく…

去年も、東レで第1シードだった、イガ・シフィオンテク 選手が振り遅れたミスを連発していたり、2回目の出場となった キャスパー・ルード選手が同じく振り遅れまくって1回戦負けしていたりと、やはり海外のハードコートに比べてコロシアムの球足はかなり速いんじゃないかと思います!

 

しかし、何でこんな違いが生まれるのでしょう?

恐らく全部のコートを同じように塗り替えたり管理してると思いますし…

塗っているのは2019年までUSオープンで使用されていた「 DecoTurf 」( デコターフ )だと思うのですが…

かなり謎です…

 

そんな状況でコート変更が有った2日目は、やはり前日のコートとの球足や跳ね方の違いに戸惑う選手が多く、シード選手が負けたり苦戦したりする要因にもなっていたように感じました。

やはりどんな状況下でも対応できる柔軟性は、かなり大切な能力だと言う事になりますね!

 

 

❏ プロを意識させるコロシアムでの試合

前の記事でもお伝えしましたが、今大会ではコロシアムも利用しています!

そして、このコロシアムでの試合は選手達にとって、とても良い経験になると感じているのです!

審判はどのコートにもついているのですが、ボールボーイ&ガールがいて、プロの様に渡してくれるのはコロシアムだけです!

 

 

観客も思ったより多く集まっていて、この特別な雰囲気の中での試合経験は、自分がプロになることを意識するには十分な環境だと思います!

是非色んな選手に経験させて欲しいです!

 

 

教え子も含め、色々な選手にプロと言う目標を持って歩んで欲しい、そんな思いで試合を見守るカタルでした。

 

 

~おしまい~